直腸癌手術後の男性の性機能障害:側方リンパ節郭清の有無による直腸間膜切除術を比較した無作為化試験の結果:日本臨床腫瘍研究グループJCOG0212。

Male sexual dysfunction after rectal cancer surgery: Results of a randomized trial comparing mesorectal excision with and without lateral lymph node dissection for patients with lower rectal cancer: Japan Clinical Oncology Group Study JCOG0212.

Saito S.: Eur J Surg Oncol. 2016 Dec;42(12):1851-1858.

背景:直腸癌に対する直腸間膜切除術(ME)単独による転帰が、ME+側方リンパ節郭清(LLND)の転帰より劣っていないかどうかを確認するために、無作為化試験(JCOG0212)を実施した。本研究では手術後の男性の性機能障害にフォーカスした。

方法:適格基準には、以下の項目が含まれた(臨床病期II / IIIの直腸癌、病変下限が腹膜翻転部を下回る、骨盤内の側方リンパ節への進展なし、術前放射線治療歴なし)。 MEによるR0切除の確認後、患者は術中に無作為化された。男性の性機能に関する国際勃起機能スコア(IIEF-5)を使用した質問票は、手術前後に収集された。性機能不全の発生率は、「術前に勃起不全が認めなかった症例に対する術後に性機能不全を示した患者割合」と定義した。

結果:2003年6月から2010年8月の間に登録した701例の患者のうち、472例が男性であった。うち、343例(73%)が術前および術後のアンケートを完了した。プロトコールに基づき、ME単独およびME+LLNDを受けた患者における性機能不全の発生率は、それぞれ68%(17/25例、95%CI: 47~85%)および79%(23/29例、95%CI: 60~92%)であった(p=0.37)。術前に勃起不全がない又は軽度の患者における性機能不全の発生率はME単独で59%(48/81例)、ME+LLNDでは71%(67/95例)であった(p = 0.15)。多変量解析により、手術後の性機能不全の危険因子として年齢のみが同定された(p = 0.02)。

  ME単独 ME+LLND P値(ME単独 vs. ME+LLND)
性機能不全の発生率 68% (17/25例、95%CI: 47~85%) 79% (23/29例、95%CI: 60~92%) p=0.37
勃起不全がない又は軽度の患者における性機能不全の発生率 59%(48/81例) 71% (67/95例) p=0.37

結論:LLNDは直腸癌手術後の性機能不全の発生率を増加させない可能性がある。性機能不全の発生率は年齢の増加と関連している。本試験は、ClinicalTrials.gov(NCT00190541)およびUniversity Hospital Medical Information Network Clinical Trials Registry(C000000034)に登録されている。

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